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第11話 『勝浦の子供達よスイカ氷に誇りをもて』
たまには食べ物の話を。
「うって~。うって~。おばちゃんうって~。」勝浦の子供達は昔から駄菓子屋の玄関を入るときは、この言葉を言う。売ってください、という意味。勝浦の子供達は行儀がよいのだ。(ほんまかなぁ~。)「はい、はい、何にするんかいのお~。」駄菓子屋のおばちゃんは店の奥から現れる。僕らの子供の時は、勝浦小学校の入り口の所にイトウ、入り口の右側忠魂碑の隣にユミネ、 そして今の紀陽銀行の近くにこれまたイトウという駄菓子屋があった。小学校終わって家に帰り、いランドセル放り投げてお母ちゃんにもらった10円玉いくつか握って駄菓子屋へ行く。僕らタケちゃん、ナカシャ、タコちゃんの仲の町3馬鹿トリオは、ユミネ派だった。理由は特にない。「なあ、ナカシャ、タコちゃん誘ってスイカ氷食わへん」「ああ、ええねぇ。」僕らは5段ギアの自転車「ライダー号」でユミネに向かう。
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