第11話 『勝浦の子供達よスイカ氷に誇りをもて』

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スイカ氷というのは、スイカを食べるときのあの形のステンレスの枠に氷を受けて棒状に割った竹を横から刺しその上にまたまた氷をかけてそのスイカの形をした枠を左右から力いつばい押してあのスイカの形にする氷である。食べやすいように竹の棒が刺さっておりそれをもって食べる。この氷の外側に緑色のシロップをかけ、内側に赤のシロップをかけるとスイカ氷である。これには、裏メニューがあって、外側に緑のシロップ、内側にレモン味の黄色のシロップをかけると黄色のスイカ氷である。大人になって聞いたのだがこのスイカ氷全国で勝浦にしかないとのこと。(ほんまか嘘かわかりません。)だから「勝浦の子供達よ。スイカ氷に誇りをもて」と僕は声を大にして言いたい。勝浦の名物やぞ。今は氷というと底のくぼんだガラスの皿に氷をかいてシロップをかけたり、あんこを乗せたりして食べる。そして、これを都会のマダムやOL達はフラッペとぬかしやがる。(おっと汚い言葉をはいてしまった。すいません。)僕らの子供の時の駄菓子屋の氷はガラスの皿の氷は無くウエハースの皿にのせた氷か、このスイカ氷だった。何年か前に仕事柄、東京で地方のアイスクリームフェアというものがあつて、特別にスイカ氷で紀陽銀行の近くのイトウさんに出店していただいたことがある。ものすごく好評だったと覚えている。今は、残念ながら僕が知っていた駄菓子屋は、その紀陽銀行の近くのイトウしか残っていないが、スイカ氷は今もあるらしい。ぜひ皆さん食べてみてください。食べ方もコツがあり途中でぽろつと棒から氷が落ちる時があるんでご注意を。同じ所ばかり食べずあらゆる方向から真ん中に向かって食べてください。今もイトウから聞こえる。「うって~。うって~。おばちゃんうって~。」 第11話終わり
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