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第3話 『祭りには、カチカチが欠かせないんやで』
「ワッショイ、カチカチ」「ワッショイ、カチカチ」皆さん、カチカチっ知ってるかなぁ~。カチカチに凍った氷のことやないで。僕らの世代の勝浦のもんは、分かると思うけど子供御輿の時に叩く拍子木(竹なので木やないけど)の様な物のことだ。もちろんカチカチと言うのか分らんし、正式な名前があるんだろうけど僕らはそう呼んでいた。簡単に説明すると30センチくらいの竹の棒を真っ二つに縦に割り、その1枚ずつに肩ひもが通るくらいに穴を開け肩からかけてちょうど左右の竹が腰あたりにくるように肩ひもを結んだ物である。これを左右の手に持ち子供御輿を担いだ小学校の上級生の後に付き「ワッショイ」のかけ声のあとにカチカチと叩くのである。勝浦(旧勝浦町)には、1区から6区まであり1区大勝浦、2区脇入(わきいり)、3区仲の町(たけちゃん坊ちゃんの生まれ育ったとこ)4区神明(しんめい)、5区北浜、6区築地がありそれぞれの地区に子供御輿があった。(今もあると思うが)この子供御輿を各地区の小学生が担ぐのだが、僕らの時は圧倒的に北浜と築地に小学生の数が多く我が仲の町と隣の脇入は、かわいそうなもんだった。いわゆる勝浦八幡神社例大祭の子供御輿である。この子供御輿の担ぎをランクで説明すると1年生から3年生までは、カチカチ担当、4年生は優秀生1人(3年まででカチカチが一番うまかったスーパエリート)が区の名前の入った看板持ち、次に前後の御輿を降ろした時の台持ち2人(エリート)あとの4年生はカチカチ、5年生、6年生は御輿担ぎだった。僕ら3区は5、6年生が少ないときは4年でもスーパーエリートから順に神輿担ぎになったこともある。
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