パピコを買いに走る

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「おまたせー」  いちばん小さいサイズの袋を手にして戻ってきた女の子が、ぼくを見てほほえむ。待っていてくれてありがとう、の、ほほえみだ。いいこだなあ、と思う。  それから今さらのように、ぼくはこのこを好きになりそうなんだ、と思ってみたりする。 「行こうか」  それはたぶん、相手も同じだろう。彼女の端々から「あたしはあなたを好きになりそうなの」という合図を感じるから。そういうのは、過度にうぬぼれたり、過度に卑屈になったりしなければ、わりとわかるものだ。  だから、というわけでもないけど、ぼくはこのこを好きになろうとしていた。  説明が少し下品だけど、自慰に耽っているとき、なんだかふと飽きてきて、まあここらへんで手をうつか、という感じにちょっと無理やり達するような感じで。
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