第28話『南紀熊野体験博その2』

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そしてそして我らが甲斐よしひろが登場。その時も「甲斐~」と叫んでました。2歳の娘を抱いて。 甲斐さんは、白のTシャツに黒のベスト、黒のジーンズとラフな格好。ギブソンのJ-45を左利きでかき鳴らす。「かっこええ~。やっぱ違う」と僕は夢心地。始まる前特急が通ったので甲斐さんは「特急がとおってからやろうか」と皆に呼びかけ「この地方に来たのは初めてです」と挨拶した。しかし違うのである。甲斐バンドのアルバム「誘惑」が発売された直後隣の市の新宮市民会館で甲斐バンドのコンサートを行っているのである。当時僕は高校生、しっかり見ましたよ。 体験博の時の曲目は、1曲目 野生の馬、2曲目破れたハートを売り物に、3曲目安奈、4曲目裏切りの街角、5曲目レイニードライブ、6曲目風吹く街角、7曲目風の中の火のように、8曲目アウトロー、9曲目HERO、10曲目バス通りの10曲だった。ライブでも中々演奏されない野生の馬、甲斐バンドデビュー曲のバス通りをやってくれたのは、さすが甲斐さん。約1時間のステージだった。10曲終わってもアンコールの声は鳴りやまなかったが甲斐さんは、「1時間のステージなんだ。これ以上やると怒られるんだよ」との言葉を残しステージを後にした。僕は娘に向かって「よかったやろ」と分かるはずもないけどつぶやいた。娘はにっこり笑った。嫁さんも以前から僕に散々甲斐バンドの曲を聴かされていたので満足そうであった。この日の模様は翌日の新聞にも載った。その記事を僕は今も大事に持っている。あとこの時の写真は、取材に来ていた新聞記者の方に「頼みます、新聞に載ってからでええから下さい、新聞に載った写真だけでもええから」と頼みに頼みその方は良い方でフィルム1本分ネガごともらった。これも僕の宝物である。本当は甲斐さんのアップの画像載せたいのだが、すいません、許可いただいてないので遠くからの画像で勘弁してください。とにかく僕の生まれた土地に甲斐さん達は来てくれ、そして歌って演奏してくれた。一生忘れない大切な一日である。もちろん今も甲斐さんのファンである。甲斐さんを呼んだスタッフの方、あなた方は、本当に偉い、すばらしい。心から感謝いたします。 第28話終わり
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