第30話『僕らの前にドラゴンが現れたのだ』

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その日の晩から、男たちは腹筋と腕立て伏せを始めるのである。僕らも当然行った。家の部屋には、ブルースリーのポスターを貼り、オモチャ屋で、プラスチックのヌンチャクを買って(僕のおとうちゃんは、通販で木のヌンチャク買いました)振り回していた。もちろんブルースリーの映画は勝浦で上映されたのは全部見たのである。レコードも持っていた。ブルースリーの映画は色んなストーリーがあるが、大体ある店で雇われているブルースリーがその店に悪党が借金や何らかで言いがかりを付けられ、その悪党の手下と店で一番強いと言われている男と戦って 悪党の手下にやられてしまう。店が困っているとブルースリーが私に任せてくださいと悪党の陣地に向かい手下の弱いものから順に倒していく。そして一番強い手下との戦いで、だいたい一度はブルースリーは倒れる。その後傷を負ったブルースリーはカンフー着の上着を脱ぎ捨て、腰に差していたヌンチャクが登場するのである。 そしてしばらく戦い相手はたいがい倒されて死んでしまう。そして最後に悪投の親分と戦い苦戦の末勝つのである。このストーリーに、そして格好よさに男はやられたのである。今は、便利な世の中で、いつでもインターネットとかで映画を見ることが出来る。今見ても格好ええ。小学6年の時の話である。さて、腕立て伏せやろかな。 「アーチョー」 第30話終わり
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