第21話『祭り囃子がきこえる』

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
祭りは子供神輿や少女達の踊り、山伏等、そして大人神輿のひとつ大黒さん(担ぎ手が顔を真っ黒に塗り、大黒天を乗せた神輿を担ぎ町中を練り歩く。今はあまりしないが観光客や町内の見物客の顔などに炭を塗りたくる。酒に酔っているので家の中まで入ってくる。僕ら子供はわざと炭を塗られるのが誇りだった)、そして2つめの大人の神輿は、夕方クライマックスでバスターミナルあたりから神輿ごと海に飛び込む。町を練り歩き最後にバスターミナルの所に来るのだが、なかなか海に飛び込まない。見物客はいつ飛び込むのか、待ち遠しくなるだが、その気持ちが最高潮に達したときに海に飛び込む。見物客の歓声が響く。その海に飛び込んだ神輿にロープを掛け櫂伝馬で引っ張り合う。そこが一番の祭りの見せ場だ。その櫂伝馬の漕ぎ手に僕らは、中学3年間なれた。今夜も遠くから聞こえてくる。 「オーレンヤ、ホーランゲー、ヨイヤノサッサ、ヨイヨイヨヤサー。」 トントコリンノトン、トントコリンノトン。 第21話おわり
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!