第22話『餅まき好き好きおばちゃん』

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そして餅まきの情報は瞬く間に旧勝浦町内を伝わりゆく。僕は観光の仕事をやっているので、イベント等で餅まきをやるのだが、餅まき命のおばちゃん達は昔も今も時間に厳しく予定より早く行うなんてもってのほか、5分遅れようものなら苦情の嵐である。それだけおばちゃん達は必死である。と言うわけで翌日僕とお母ちゃんは、1時前に観光桟橋の所へ出かけた。新しい船には、大漁旗が飾られ岸壁には、まるで背中に「餅まき命」と書いているようなおばちゃんやおいちゃんがわんさかいた。おばちゃん達は、みんなエプロンをしている。プロはほとんどその場から動かない。自分の縄張りを持っていてその縄張りに入ろうものならただですまない。おばちゃん達はエプロンの両端を持ちその中に自分の方にまかれた餅を拾うのである。いや、拾うのではない。かき取るのである。船首達に向かって「おいさん、こっちやで~。こっちほらな後で怖いで~。」とおばちゃんたち。船首たちはそこめがけてほらなしょうないがな~。そんなこんなでプロのおばちゃん達は毎回何十個と餅を持って帰るのである。だからあんなにぶくぶく太ってるんやろか。 えっおまえはどうなんやって。僕は10個がやっとだった。お母ちゃんはセミプロなんで、結構拾っていた。帰り際お母ちゃんは「明日から1週間おやつ餅やで~。」そんなせつしょうな~。 第22話終わり
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