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第23話『僕らのおやつ はったいこ』
新作でございます。
「おかあちゃん、腹減った~。」小学校から帰ってきた僕は「ただいま」の代わりにいつもこの言葉である。4時間目が終わってから給食を5分で(しかもお代わりし)超ハイスピードで食べ、昼休みの時間を目一杯ドッチボールをやる僕たちは給食だけで満足する訳なく学校から帰るとおやつ(今のスイーツとかなんとか言うおしゃれなもんやないで~)を食べていた。「おかえり、うーん、はったいこやったらあるで~。タケちゃんそれ食べとき」「はったいこか。まあ、ええわ。うまいし。でも昨日もはったいこやったで~。」「つべこべいわんとたべときな。」「わかったよ。」ここまで書いてああ、あれか。とお分かりになった方は、多分50歳以上の方でしょう。はったいことは、はったい粉と書き大麦をあぶって粉にしたものである。これを茶碗にスプーンで何杯かすくい、砂糖を少し入れ、その中にお湯を少し入れ箸で混ぜ混ぜするのである。
すると、なんて言うか、簡単に言えば灰色のソフトクリームみたいになるのである。それをスプーンですくい食べるとたちまち笑顔になるのである。
ただしソフトクリームみたいにきれいな色じゃなく灰色なのであまりおいしそうに見えないが、僕たちそのころの子供も大人もその魔法にとりつかれたのである。
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