第63話『そろばん学校』

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前にすわっているキュウリみたいな顔でチョビひげをはやしている校長先生に出席帳のカレンダーのその日の所に印を押してもらう。それから席につきテキストを何ページかやり自分で答え合わせをする。分からないところは校長先生に聞きに行く。そしてその日のテキストを自分で答えあわせし赤ペンで採点する。これが終わったら校長先生に見せてまた、印をもらい帰宅する。だいだい1時間ぐらいそろばんの勉強をしていた。そして何ヶ月かに1度昇級試験がある。合格すると合格証とそろばんに貼る合格した級のシールをくれる。これをそろばんに貼る。当然上級者ほどそのシールの数が多い。あるとき僕らはびっくらこんした。 僕の一つ下にオモチャ屋の息子のM君がいた。彼は非常に勉強ができそろばんも飛び抜けて出来て段をもっていた。その日校長先生が僕らに「この度M君が注文してくれた特別なそろばんが届きました~。」と高々と手にし皆に見せてくれた。 普通のそろばんは、親玉がひとつ、小玉(というのだろうか)が4つの、縦に5つの玉があり、始める時に 左から右に人差し指で一度親玉を上にあげる。しか~し、校長先生の見せてくれた特別そろばんは、そろばんの上の所にホタンがついており、なっなんと、そこを押すと親玉がすべて上に上がり、小玉が全部下に下がるという「おそれいったか~、てめ~ら~」と言っているようなびっくらこん、なものであった。僕らは、「ぎょぇ~。なんやそれ~、めちゃええやん」といっせいに合唱した。校長先生は「皆も手にいれられるで~、1本1万円やけど」とぬかしやがった。(すいません、絶対こうてもらえん怒りから言葉が汚くなりました
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