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ほんま、うまかった。これが僕のフカヒレ初体験である。話変わってこのフカヒレ。実は那智勝浦町の冬の名物でもあった。過去形で書いたが後で理由を書こう。那智勝浦町の勝浦漁港は生まぐろの延縄漁法水揚げで有名たが、この延縄にはまぐろだけでなくサメも時々かかる。サメにはヨシキリ、イラギ(アオザメ)、ヒラガシラ、トキリなどの種類がありフカヒレには、ヨシキリやイラギが使われる。胸びれは、フカヒレスープでおなじみの細かくほぐれた繊維質になる。背びれと尾びれは、ほぐれていないヒレの形をした繊維質の固まりに加工され、胸びれの2倍以上の値がする。那智勝浦町にも、大正時代から約100年続いたM商店がある。1月の上旬から3月までフカヒレの間約2ヶ月かけて毎日早朝から夕方間で干す。フカヒレは主に関西の中華料理店などに出荷されていた。サメの身は干物等になりこれも絶品である。このフカヒレの天日干し何年か前より見なくなったので、女将さんに聞いたところ、3年前にワシントン条約によりサメの乱獲が規制されフカヒレが手に入らなくなり、やらなくなったそうだ。今は主に干物づくりを行っているそうだ。サンマの一夜干しの風景と並んで冬の風景だったフカヒレの天日干し、出来ることなら復活してほしい。
第60話 終わり
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