第62話『学生帽子と学生カバン』

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そして、家に帰り次第「なあ、お母ちゃん、ツータックっていう学生ズボンあるんやけどこうてくれん。お尻のとこきつなってきたんや。ナカシャもイサオ君もツータックなんやで」家のお母ちゃんは、ナカシャのことは僕と同じくアホやとおもてるけど、たまに遊びに来るイサオ君は、ええとこのボンボンや思ててかなり気にいってたのである。その彼がツータックなんで、「そうやね、、今のズボンも古なってきたさかいこうたるわ」とお母ちゃん。その次の土曜日また初めに書いたようなアホみたいなお母ちゃんとおばちゃんのやりとりがあり僕はツータックのズボンを履いていくようになつたのである。しかし、3年生になっても上着の裏に刺繍を入れる勇気はなく、そして学生カバンも3年間使った。新宮高校に入ってから学生服の裏に少し刺繍の入ったやつも着たりした。ズボンは相変わらずツータック、これが楽なんである。カバンはさすがに、その頃流行っていたアディダスのスポーツバック(ギョウザみたいな形をしていた) をつかっていた。学生帽も新宮高校の物をかぶっていた。今回なぜこのような話を書いたかというと、今の中学生は、学生服はもちろん着ているのだが、学生帽というものがないらしい。家の娘が中学生なので聞いてみたが「そんなのないよ」とのこと。そしてもちろん学生カバンもなく、今はリュックサックみたいなので通っている。僕らの時は当たり前だった、学生帽と学生カバンいつから無くなったんだろう。県内の中学校でも残っている所あるのだろうか。なんかさみしいなぁ~。これも時代の流れか。学生時代の良き思い出である。        第62話 終わり
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