第四章 就職1

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すでに廃盤になっていたのである。そんな時はお客様は残念そうな顔で帰っていく。僕らも仕方ないが、残念な気持ちになった。僕が入った時は、ちょうどレコードからCDへ移り変わり始めた時である。まだまだ世の方は、LPレコードやシングルレコード、カセットテープそしてビデオテープ(VHSとベータがあった)を楽しんでいた。店の中には、大滝詠一のナイアガラソングや渡辺美里がデビューし「マイ・レボルーション」等がひっきりなしに流れていた。レコード会社の方といっしょに、荻野目洋子や岡田有希子も訪れた。また店の近くの新宿ルイードというライブハウスでは、バービーボーイズのデビュー等ミュージシャンや歌手のライブや制作発表会なども上野主任や立園さん等に連れられ何回も行った。店には有名人もたくさん来た。ビートたけし、菅原文太もレーザーディスクを買いに来た。そんな中で本社広報の宇野さんが「この子はすごいわよ。絶対売れるわよ。」と何度も言っていたのが、そう尾崎、尾崎豊である。僕ら帝都無線でもCBSソニーのセールスマンと組み尾崎を売り出すプロジェクトを組んだ。僕も陰ながら手伝った。当時のデビューサンプル盤は今も持っている。彼がデビューする前から僕らは、かかわったのである。今思うと非常に光栄なことである。そのあとの尾崎の活躍はご存じのとおりである。当時いろんなジャンルのサンプル盤や自分で買ったレコードで僕のアパートの部屋はレコードとテープでいっぱいたった。本当に音楽漬けの毎日だった。  つづく。
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