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腰をひねりながら、じわじわと怒張をなかへと捩じ込んでいく。紅く染まっていたアリエッタの顔は今や蒼白で、痛みのあまり息も絶え絶えになっていた。
「あ……、はっ……」
ぱくぱくと口を動かしながら必死に息をするアリエッタを、エミリオはちから強く抱き締めた。細切れになった吐息が首筋に触れる。肌と肌が隙間なく合わさって、心臓の鼓動までひとつに溶け合うようだった。
「ごめん……ごめん、アリエッタ。もう大丈夫、大丈夫だから」
宥めるように背中をさすり、エミリオは何度もアリエッタに謝った。
潤んだ瞳をまぶたで覆い隠して、アリエッタがエミリオの首に細腕を絡ませる。涙に濡れた彼女の頬に、エミリオは出来る限りの優しい口付けを落とした。
「……謝らないでください。わたし今、とても幸せですから……」
震える声でそう囁いて、アリエッタは微笑んだ。
蒼白だった頬はふたたび赤みが差し、そのうえをぽろぽろと涙がこぼれ落ちていた。けれど、そこに痛ましさはどこにもない。
どちらからともなく、ふたりは唇を重ね合わせた。吐息を奪い、互いに舌を絡め合う。それに合わせるように、エミリオの腰がゆるゆると動きはじめた。
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