第8話 厄災

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ーーーーーーーーーー ーーーーーー ーーー ー 「ハァ、ハァッ、ハァ……ハァ」 肩で息をしながら、アシェラは細い路地を疾走していた。 囚われていた牢から逃げ出し、ディーガルの町中へと逃げ出したはいいが、もうすでに後ろには追手が迫っていた。 初めて訪れた町。 土地勘などあろうはずもなく、追手との差は縮まるばかりであった。 ーー早く町の外へと逃げなければッ……! 焦れば焦るほど、足はもつれ、判断力は鈍り、余計に体力を使ってしまう。 「おいィ、逃げられるとォ思ってんのかァ?」 「ッ!」 突如、横っ腹に鈍い衝撃が発生し、アシェラは横薙ぎに吹き飛んだ。 壁に叩きつけられ、視界が揺れる。 「ったくよォ。いちいち面倒くせェことすんなよなァ。トサカにきたぜェ」 ヨロヨロと立ち上がるアシェラの前には、面倒臭そうに顔を歪める豹人族がいた。 牢では見たことのない者だ。 刀らしきもので肩をトントンと叩いている。おそらく、あの刀で殴打されたのだろう。 アシェラは、未だに痛みが残る横っ腹に手を当てた。 やられたのが横っ腹で、まだ良かった。 これで足でも攻撃されていれば、逃げることを諦めなければならないところだった。
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