第8話 厄災

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「そうか。なら、この魔人族が喋らないのも、この呪装具のせいってことか?」 無言で頷くミーナ。 話せないのが、呪装具のせいなら話は簡単だ。 その呪装具の効果を、拒絶で無くしてしまえばいい。 景は、そっと魔人族の胸元へと手を伸ばし、呪装具の宝玉に触れる。 「拒絶」 これで呪装具の効果は消滅しているはず。 しかし、確かめてみないことには分からない。 「もう喋れるはずだけど……、どうだ?」 「えッ? あ、本当だわ!」 何を馬鹿なことを言ってるんだ、という表情を浮かべた後、魔人族の女性はその顔を驚嘆へと変えた。 「本当にケイ様は凄いですね。呪装具って、普通つけた本人にしか解呪できないはずなんですけど……。流石です!」 尻尾を凄い勢いで、振りまくるミーナ。 その勢いは留まることなく、まだ「ヤバイです。反則級の凄さです!」「バランスブレイカーです!」などと、宣っている。 「本当に信じられない。まさか、呪装具を無効化なんてーー」 魔人族の女性は半ば放心状態でそう呟くと、ハッとして我に返った。 「すまない。礼が先であった。助けていただき、感謝する。私はアシェラ・シェヘラザード。父は魔人族の王、ルシア・シェヘラザードよ」 景にとっては、礼なんてどうでもよかった。 ただ、魔人族王の娘……つまり姫を助けたのなら、魔人族と交渉するときに大きなアドバンテージになるな、と心の内でニヤリとした。 「魔人族がどうしてここに? それに、あの呪装具は一体……?」
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