第8話 厄災

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ーーーーーーーーーー ーーーーーー ーーー ー 「どこもかしこも私兵だらけか」 アシェラは、フードの下で深いため息をついた。 テイヒュルの屋敷へ向かっているが、近づけば近づくほどに私兵の数が増えている。 おそらく、アシェラを捕縛するためにテイヒュルが放ったのだろう。 魔人族一人を捕らえるために、随分と仰々しいことをするものだ。それだけ必死、ということの裏づけでもあるのだが。 やることはただ一つ。 テイヒュルの企みを暴くこと。 そのための証拠を探し出すことだ。 昨日、アシェラを襲っていた豹人族。 奴がテイヒュルの屋敷の警護やアシェラの捜索で町に出ていれば、話が早いのだが、そう簡単にはいかないらしい。 さすがにあんな失態を晒せば、即刻殺害されていてもおかしくない。 ただ、確認しておくに越したことはない。 アシェラは、屋根の上へと躍り出る。 フードをまくり上げると、美しい桃色の髪が風に靡いた。
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