第1話 異世界召喚はいつも突然だ

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一人ずつ、席に座っていき、全員が席に着くのを確認すると、アルシュバンは口を開いた。 「では、改めて。ようこそ異世界オフィーリアへ。勇者諸君。どうか、我々リヒト王国のため、そのお力を貸してくだされ」 「何を言っているんですか! これは何の冗談ですか! ここは一体どこなんですか!」 郁美が、アルシュバンに掴みかかる勢いで立ち上がると、周りにいた衛兵がスッと身構えた。それを見た郁美は、再び席についた。 「すみません。取り乱してしまいました」 「いや、構いませんよ。それも当然でしょう。ここは何せ、あなた方がいた世界とは異なる世界なのですからな」 アルシュバンの明確な言葉に、再び生徒たちが騒ぎ出した。 「違う世界って、どういうことだよ?」 「おい、このまま帰れないとかないだろうな!」 「異世界!? マジかよ!」 アルシュバンは大きく咳払いし、続けて話した。 「すまないが、質問は話を全て聞いてからにしていただきたいの。まず、ここは皆さん方からすれば、異世界オフィーリア。その中の人間族の一国、リヒト王国じゃ。現在は、西の魔人族と戦争状態にあり、東にあるベルゲン帝国や南の獣人族とも冷戦状態にあるのじゃ。この状態を打開するために、皆さん方異界の勇者を召喚したと、そういうわけじゃな」     
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