逢瀬

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「・・・どうしたの?手が止まってるよ?その姿も十分唆られるけど、今は全部脱いで?」 下着を一枚身に付けたままで固まっている日和に、そう声を掛ける。恨めしげな目に、ニコリと微笑んだ。 躊躇する日和の体は、ほのかに赤く色づいている。目元を潤ませるさまは嗜虐心を擽られた。 恋人にはどこまでも優しく接して、甘く蕩け出すのを見るのが好きなはずなのに、日和に対してだけは別の欲望が頭を擡げてしまう。 日和が意を決したように下着を脱ぎ捨てた。後ろを向いて脱いだのは、日和なりの抵抗の気持ちなのだろう。随分と可愛らしい抵抗だ。 「こっち向いて?」 日和は肩を震わせ顔を向ける。 「うん。顔だけじゃなくて、体もね。俺に見せて」 「・・・な、何で」 「だってそれじゃ、ひよさんがしてるとこ見えないよね?」 「ど、どうしても?」 「どうしても」 風太がキッパリと告げると、日和はゆっくりとした動作で体を反転させた。風太は視線を下へと移し苦笑する。 「ひよさん、往生際が悪過ぎ。手退けて」 両手で隠している場所を示す。日和は唇を噛み締め、その場所から手を外した。 体型に見合った小振りなペニスが僅かに反応を示していた。 「何だ、恥ずかしがってる割には感じてるんだ?」 わざと露悪的に言えば、日和の体がビクリと震えた。ペニスも硬さを増す。 「・・・ち、違う」 否定する日和とは裏腹に、下半身にあるそれはどんどんと力を持ち勃ち上がって行った。
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