149人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・ゆっくり、じっくり・・・?」
呆然と呟いた日和の体が強張った。ブンブンと頭を振り「む、無理だ」と、訴えてくる。
風太は指の動きを止めると、怪訝な顔で日和を見つめた。
「何が無理なの?」
「こ、この前だって、僕はおかしくなった。あ、あれ以上、じっくりゆっくりなんてされたら、どうなるか分からないっ。僕の身が持たない!」
懇願さえ滲ませる響きで訴える日和に、風太はチッと舌打ちした。ビクッと震える日和の中に、もう一本指を突き入れる。
「あっ、い、痛いっ」
痛みに眉を顰める日和の眉間に、宥めるようにキスをしながらも、キツくて狭い日和の中を、容赦なくグチャグチャとかき回した。
「どうして、そうやって煽るのさ」
余裕振ってはいるが、昂ぶる気持ちを抑えるのに必死なのだ。それを、日和が煽るものだから抑えが効かなくなる。
「俺の理性を試してるの?」
「ち、違うっ」
首を振る日和に、風太は怒張した雄を布地越しに押し当てた。
「ひよさん見てるだけでこんなになってるんだよ」
日和の負担を考えれば焦りたくはない。修也のアドバイスでも、相手の様子を必ず気遣ってやるようにと、釘を刺されている。
誰よりも愛しいから大切にしたい。セックスがしたい訳じゃない。快感を得るためだけの行為なら、自慰をすればいいだけだ。
日和とは愛し合いたい。お互いの気持ちの延長として、体を繋げ求め合いたいのだ。
元々風太は淡白で、相手をイカせるだけで充分満足していた。実際、今までの恋人とは喘がせるだけ喘がせて、自身は挿入もせずに帰ることが度々あった。
本当に日和にだけなのだ。こんなにも執着して、こんなにも昂らせるのは。挿れて突き上げてぐちゃぐちゃにしたいと欲望を募らせるのは。
最初のコメントを投稿しよう!