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「うーわー、マジで? こんくらいのミス、誰でもするでしょ。
こんなんで怒鳴られるんだったら、俺、毎日……つーか、1時間毎に怒鳴られてるわ」
そう言った片岡さんのリアクションが少しオーバーで、思わず肩の力が抜ける。
本当、この人ってよくわからない。
子犬なのに子犬じゃないし。
バカにするような態度取ってきた癖に、今こうやって励ましてくれてるし。
だけど、片岡さんがそう言ってくれて、気が楽になったのは確かで、
「ありがとうございます」
そう言ったら、片岡さんは背もたれに頬杖をついて、ため息混じりに呟いた。
「……だから、言ったでしょ? 不毛だ、って」
わたしを見つめる目は、さっきまでとは違う真剣なもの。
その目とその言葉に、胸が沸き立つ。
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