scene.4

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「美亜、久しぶりだね?」 「……うん。そう、だね」  この1ヶ月の間に、陽からあった誘いを、2回断った。  陽からの誘いを断れば、あまり会社にいない陽と顔を合わす事なんて、ほとんどない。  連絡を頻繁に取り合う訳でもないから、ちゃんと話すのもあの日以来。  なんだか気まずくて、顔を伏せる。  陽は、とん、と近くの棚に寄り掛かった。 「こ、こんなとこでどうしたの? 陽が来るの珍しいね?」  気まずい気持ちを取り繕うように言ったら、声が少し上擦ってしまった。 「……うん。まだ帰ってないっぽかったから、ここかな、って思って。 美亜を、探してた」  その声が真剣味を帯びていたから、もっと胸がぎゅうっとなった。  聞き返した声が、また上擦ってしまった。
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