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――ごめんね。君とは付き合えない。
付き合って下さい、って震える声で言った女の子に、陽は何の躊躇(ためら)いもなくさらっと返していて、
なんか告白され慣れてる感がすごい出てたから、感じ悪、とか思ったっけ。
だけど、理由を教えて下さい、て涙声で言った女の子に、少しの間の後返した陽の声で、ちょっと心が揺さぶられてしまった。
――俺ね、ずっと好きな子がいるんだ。だから……、ごめん。
そう言った声が、さっきまでとは違ってすごく悲しそうだったから。
いつもとは違ってすごく淋しそうだったから、頭に残った。
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