scene.4

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「……なに言ってんの? 別にわたしの顔なんて――」  見たくなんてないでしょ。  そう言おうとして、飲み込んだ。  言ったら、もっと苦しくなる気がして。  言ってしまったら、本当に陽がそう思ってしまう気がして。 「美亜?」  言葉を途中で切ったわたしを、陽が不思議そうな顔で見る。  陽から目を逸らして、立ち上がった。 「なんでもない。 じゃあわたし行くね? 今日中に終わらせなきゃだから」  歩き出したら、それを陽が阻んだ。  振り返ると、座ったままの陽がわたしの手首を掴んでいる手に少し力を入れる。
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