scene.4

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 あの後すぐに、タクシーを呼んで家に帰った。  辛くて、悲しくて、苦しくて、陽の側になんていれなかった。  陽の家を出て、1時間後くらいかな。  まだ辺りが明るくなる前に、陽から電話が掛かってきた。  3回目の着信で電話に出た時、わたしの名前を呼ぶ声が慌てていたから、泣きそうになった。 ――……出て良かった。起きたらいないからビックリした。 どうしたの? 何かあった?  わたしに尋ねる声が優しかったから、責めそうになった。  勝手にしちゃった期待の分だけ。  陽を好きな気持ちの分だけ、苦しいよ。  本当に陽って、ひどい。  ただ好きなだけの女の子を、ここまで苦しめるんだから。  好きじゃないんだったら、優しい声なんか掛けないでよ。  どうでもいいんだったら、優しく心配なんかしないでよ。  もっともっと、苦しくなるから。
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