scene.4

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「本当にしっかりしてよね。毎回確認するこっちの身にもなってちょうだい」 「……すみません」 「謝ればいい、て問題じゃないでしょ? あなたもう、三年目でしょう? 一体いつになったら、マトモに仕事出来るようになるんだか……」 「……すみません。気をつけます」  心底呆れたような声で言った小林さんにもう一度頭を下げると、大きなため息が落ちてくる。  小林さんは「今すぐ直して」と吐き捨てるように言い残し、フロアから出ていった。  凍りついたように沈黙を守っていた空気は、小林さんが出ていったことで、通常のものへと変わる。
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