scene.4

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 フロア中から一斉に送られる自分にへと集中する視線は、何度経験してもいたたまれない。  そして、その中に同情の視線だけでなく、いい気味だ、というような蔑んだ視線も混ざっている気がしてしまうのは、被害妄想だろうか。  今すぐここから出ていきたい気持ちを堪え、いすに座り直した。  こういう時、こんな風に余計なことまで考え、泣きそうになるのは、わたしの悪い癖だった。  唇を噛み締め、デスクの上の書類に視線を落とす。  真っ赤に囲まれた『契約“機関”』。  漢字を変換し間違えていた。
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