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「相変わらずヒステリーだねぇー」
そんな自分にため息が出た時、落ちてきた声。
「片岡さん……」
いつの間にか、側に来ていた片岡さん。
片岡さんは、勝手に小林さんのデスクのいすを引き出すと、背もたれを前にして座る。
「気にする事ないよ。佐々木さんが可愛いから、僻んでるんだよ、あの人。
本当あーゆーのって、見苦しいよねー。ヒステリーな女ほど、厄介なものはないよね?」
久しぶりに話した片岡さんは、子犬笑顔全開で毒を吐く。
小首を傾げて同意を求めてきたから、首を横に振った。
「……いえ。ミスしたわたしが悪……」
「って、これ? これだけであんな怒鳴ってたの?」
デスクの上の書類を見た片岡さんは、わたしの声を遮って、それをおもむろに取り上げる。
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