scene.6

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 陽の事は、もう諦めようと決めた。  わたしには、もう無理だから。  わたしには、陽の気持ちを自分に向かせられる自信はないし、頑張ろうって思えるような気力だってもうない。  この想いはすぐには消えてくれないだろうけど、きっと時間が経てば勝手に消えてくれる。  ちゃんと告白してフラれたら、キッパリ諦められるのかもしれないけれど、フラれると分かっていて告白するなんて、わたしには無理だ。  言った時の陽の反応を見るのも怖いし、そんな自ら傷口に塩を塗るようなことなんて――出来ない。  わざわざそんな思いしなくても、「もう止めよう」そのたった一言で、たった一行だけのメールで終わる関係なんだから。  そう思っている癖に、そのたった一行のメールを送るという事が、出来ていないのだけれど。
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