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「この契約が上手くいったら、俺の……じゃなかった。部の業績ガツンと上がるから、同じ部のよしみとして協力して?」
「今、本音出てましたけど」
「ん? 聞き間違いじゃない?
あ、帰り、なんでも好きなもの奢るからね? 何食べたい?」
「暑くて食欲ないです」
「じゃあ、なんでも好きなもの買ってあげる」
「どこのオッサンですか?」
あははは、と楽しそうに笑う片岡さんの声が、高い空に響く。
急遽借り出された接待テニス。
片岡さんだけならまだしも、部長にまで頼まれたせいで断れる訳もなく、しぶしぶ了承した。
こっちは、健全にスポーツするような気分じゃないのに……。
この突き抜けるような青空すら恨めしい。
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