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「あー、疲れた。でも、久しぶりに運動すると気持ちいいね」
片岡さんは、んー、と体を大きく伸ばす。
「そうですね」
普段全く動かさない体は、急に走り回ったせいで悲鳴を上げている。
だけど、全身を包む疲労感は、気持ちのいい疲労感。
暑いし面倒臭いし、本気で最悪だと思っていたけど、もし普通に休みだったら、きっと部屋に篭ってぐじぐじしていただろうから、
ある意味、有意義な休日になったのかもしれない。
「ねぇ、佐々木さん」
「なんですか?」
「俺達も勝負しない?」
「勝負、ですか?」
「そ。1セット1本勝負」
片岡さんは顔の前で指を一本立てる。
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