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「佐々木さんが勝ったら――、んー、そうだな……あ。小林さんが佐々木さんに優しくなるようにしてあげる」
「なんですか? それ」
「で、俺が勝ったら、佐々木さんの明日1日、俺にちょーだい」
質問を流した片岡さんは、わたしの顔を覗き込んで続ける。
「中学3年間テニス部だった佐々木さんと、ずっとサッカー部だった俺。
佐々木さんが勝ったら、小林さんにうるさく言われない平穏な仕事ライフが待っていて、万一俺が勝っても、明日1日俺に付き合うだけ。
どう? 悪くない勝負だと思うけど」
「嫌です」
「あれ? 自信ない?」
「……違います。面倒臭いだけです。
大体、どうやって片岡さんが、小林さんのアレ直すんですか?」
そんな現実味のない約束、当てになる訳がないし。
「それは秘密。でも、絶対約束は守るよ」
片岡さんが妙に自信あり気な笑みを向けてくる。
……本当に出来るの?
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