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「本当にここでいいの?」
「大丈夫です。
片岡さん、ごちそう様でした。すごく美味しかったです」
駅まで送るよ、と言ってくれた片岡さんに、そう言って頭を下げる。
一度目は「でも」と言った片岡さんは、今度は「うん」と頷いた。
「じゃあ、また明日ね? 気をつけて」
「はい。お疲れ様です」
お疲れ様、バイバイ。
そう笑って、片岡さんは人混みに紛れていく。
見えなくなってから、踵を返した。
夜だけど、風がないせいで蒸し暑い。
中途半端に取り過ぎたアルコールは、生温い風じゃ、抜けてくれそうにない。
駅に向かう道を、人を避けながらゆっくりと歩く。
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