scene.6

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――陽斗君には深入りしない方がいいよ。  視線を落としてその日の事を思い出していると、視界にテニスボールが映る。  転がってきたテニスボールは、わたしの靴に当たって止まる。  拾い上げると、ちょうど片岡さんがこっちに走ってきた。 「佐々木さーん、ごめーん」 「いえ、どうぞ」  差し出された手の平にテニスボールを乗せると、片岡さんがわたしに少し近付いた。 「明日、楽しみにしてるね」  小さな声でそう言い残して、片岡さんはコートに戻っていく。
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