142人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
――陽斗君には深入りしない方がいいよ。
視線を落としてその日の事を思い出していると、視界にテニスボールが映る。
転がってきたテニスボールは、わたしの靴に当たって止まる。
拾い上げると、ちょうど片岡さんがこっちに走ってきた。
「佐々木さーん、ごめーん」
「いえ、どうぞ」
差し出された手の平にテニスボールを乗せると、片岡さんがわたしに少し近付いた。
「明日、楽しみにしてるね」
小さな声でそう言い残して、片岡さんはコートに戻っていく。
最初のコメントを投稿しよう!