scene.5《2》

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「なに、寝に来たの? そんなすぐ寝室に入って」  陽が笑いながら言う。 「まぁ、確かに結構いい時間だけど。夏川さんとご飯でも行ってたの?」  わたしに近付いてきた陽が、水の入ったグラスを差し出す。  それを受け取らずに、陽の首に両腕を回した。 「詩穂じゃない。……片岡さんと」  何か言おうと開いた陽の唇に、自分の唇を重ねる。  背伸びをしてしたキスは、ほんの少し、タバコの味がした。  目を開けると、すぐ近くの陽の瞳には驚きの色が浮かんでいた。 「……美亜? どうし……」 「陽、しよ?」  今まで、一度も言った事のない直接的な台詞。  それを聞いた陽の瞳には、もっと驚きの色が浮かんだ。
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