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「なに、寝に来たの? そんなすぐ寝室に入って」
陽が笑いながら言う。
「まぁ、確かに結構いい時間だけど。夏川さんとご飯でも行ってたの?」
わたしに近付いてきた陽が、水の入ったグラスを差し出す。
それを受け取らずに、陽の首に両腕を回した。
「詩穂じゃない。……片岡さんと」
何か言おうと開いた陽の唇に、自分の唇を重ねる。
背伸びをしてしたキスは、ほんの少し、タバコの味がした。
目を開けると、すぐ近くの陽の瞳には驚きの色が浮かんでいた。
「……美亜? どうし……」
「陽、しよ?」
今まで、一度も言った事のない直接的な台詞。
それを聞いた陽の瞳には、もっと驚きの色が浮かんだ。
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