109人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「佐々木さんって、本当不幸体質」
片岡さんは、肩を揺らして楽しそうに笑う。
「自分でもそう思います」
そう笑い返すと、片岡さんはもう一度声を出して笑った。
「あーあ、振られちゃった。
こんないい男振っちゃって、佐々木さん、絶対後悔するよ?」
「わたしもそう思います」
リアルに想像できた、片岡さんとの恋。
いつも冗談ばっかり言うけど、ちゃんとわたしのことを考えてくれる、ちゃんと欲しい言葉を言ってくれる片岡さん。
きっと、一緒にいたら、楽しくて嬉しくて、あの日みたいに、女の子としての幸せを教えてもらえるんだろう。
そこまでわかっているのに、この選択を選ぶわたしは、本当にバカなんだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!