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「あ…もう日が暮れてる」 空の色はオレンジ色から薄暗い闇へと変わっていった。そろそろ帰ろう。 そしてノートを下駄箱に入れないと、といつもならしていた。 立ち上がっていたけどもう一度椅子に座ってノートを広げてペンケースからシャープペンを出してしばらく考えて書いていく。 『名前の分からない後輩さんへ』 初めて返事を書きます 最初は驚いたけど今ではノートを見るのが楽しみです 家族の温かい話や住み着いた野良猫ちゃんとか 後輩さんの日常は温かさでいっぱいなんだ、と感じてます ところで…私が忘れているあなたとの繋がりが気になるので 教えてもらえますか? 大木麻衣子より 「ふう…返事書いてくれるかな」 今度こそ立ち上がり、いつものように下校。もちろんノートは私の下駄箱の中に。
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