第一章 秋本涼二という人間

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「大智の前にも正社員として雇っていたアシスタントがいたんだ。だけど、あいつは空気の読めない役立たずだったからすぐに脱落したよ。でも流石に正社員だからって事務職に共同の情報ファイルを置いておいたら、素人の癖に無駄に情報に手を出して、痛い目見て自滅した」 「首を切った後ですか?」 「もちろん。知りすぎると嘘も吐きすぎちまうんだよ。お前は空気の読めるやつだもんな? な?」 「・・・・・・分かりましたよ」 僕はその時にアルバイトなや関係する範囲以外で秋本の事情を詮索するのはやめようと決めた。 このひとはきちんと僕のことを守ってくれる。 変人らしく奇妙なシチュエーションを強要されることもあるけれど、僕のボスはまあまあ誠実でもあると感じている。
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