第二章 内閣改造

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秋本が言うには、与党内の上層ではまことしやかに内閣改造の噂が囁かれているという。 噂自体はM党のオトモダチから情報を既に得ており、今までの関係性から言ってJ党の親友から依頼が入るのをてぐすねを引いて待っていたらしいのだが、それが今日の打ち上げに重なったらしい。 J党といえば第一党というイメージは若年層である僕にもしっかりと根付いており、思い出せる限りでは安定した支持率に胡座をかいて、強引に政策を押し進めてきた内閣総理大臣の印象も強い。 企業好きのする強引な政策の結果は近年、末端である国民に強く影響を及ぼしておりら社会問題の根本を自覚した国民が不満を持ってJ党を見離したのは当然といえば当然と言えた。 しかし、だからと言って国民がM党に両手を挙げて希望を託したというのは何か違う気がする。 新しい流れを望んだのは確かであるかもしれないが、顔の売れた元芸能人が政治家に転身できる、投票率の低い日本国民の怠惰な性格は変わっていないのだ。
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