都立第一大学広告研究会の陰謀

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   コンテストが終わり、私はミスコンファイナリストから元のいち学生へと戻った。  清々しい気持ちで残りの学園祭を楽しんでいると、夕方頃、一通のメールが届いた。  田島くんだ。 『惜しくもグランプリは逃したが、ファイナリスト全員に少額の報奨金が出たので、今夜焼肉食べに行くぞ! 十九時にバス停前待ち合わせで!』  なんで私の報奨金の使い道をお前が決定しているのだ。現金で渡せ。あと、順位は断トツの最下位だったから全然惜しくない。  そう思ったが、返信はしなかった。とりあえず、あのPR動画はどうなったのかを先に聞かなければと思った。  人生の汚点となるであろうあの動画はどこかで公開されていたのか、それとも封印されたのか、それが分からないとこの先の人生に多大な不安を残すことになりそうだったからだ。  メールを打っていると、後ろから肩を叩かれた。  今日のための特別な、華やかな白のサマードレスを着た若菜だった。 「よっ! さっちゃん、五位おめでとう!」  
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