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話が見えてこない。私の頭上にハテナが浮かんでいたのが見えたのだろう、若菜は豪快に笑うと、答え合わせをした。
「うちの大学のミスコンのジンクス。『ファイナリストと担当者は、恋に落ちる』だよ。もっとも、ただのジンクスだから全員じゃないけどね。数ヶ月、力を合わせて他の候補者と戦うわけだから距離が縮まりやすいって話」
たぶんさっちゃんのファイナリスト選出も、田島が担当者になったのも全部仕組まれてたな、と言って若菜は笑った。
私は思わず、は? と声に出す。
「田島の言う今日の焼肉は、二人きりだろうねえ。行く行かないはさっちゃんの自由だよ。でも試しに、行ってみたら? たぶん田島はああ見えてさっちゃんにぞっこんだから、楽しいかも」
「ええ、何それ。なんで田島くんが」
「だって、覚えてない? 高校の頃、文化祭の演劇で、あんたら二人演技ができなさすぎて木の役やってたでしょ。木の被り物して、二人でずっと手を繋いでたじゃん。私あいつの幼馴染だから分かるけど、あの頃から田島、さっちゃんを見る目が熱かったもん」
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