都立第一大学広告研究会の陰謀

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   私が通っている大学のミスキャンパスコンテスト。  毎年学園祭の目玉企画として数ヶ月前から準備され、投票により当日グランプリが発表される。華やかな女性だけがスポットライトを浴びる、私には関係の無い世界のはずだった。  だが、他薦でいつの間にか応募されていた私はうっかりファイナリストまで残ってしまったのだ。  ミスコンの運営委員会――当大学の広告研究会の指導のもと、私は最終選考に向けて、三分のPR動画を撮らなければならなかった。  水を飲みペットボトルのキャップを閉めると、私は別の角度から反論してみた。 「あのさ、そもそもなんでインタビューなのに台本があるのよ。インタビューって自然に答えるものじゃない? なんで一字一句あんたの台本を忠実に再現しなきゃならないの」 「だって、お前、普通に答えさせたら趣味ガンプラになるじゃん」  ガンプラの何が悪いのか。確かに女子力は低めだが、塗装がうまくいったときはえも言えぬ快感があることをお前は知っているのか。  ちなみに特技は合気道だ。  
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