都立第一大学広告研究会の陰謀

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  「ピアノは昔習ったけど、猫踏んじゃったが弾けなくて一日で辞めたんだよ……。嘘ついてまで、優勝なんてしたくない」 「グランプリとその担当にはインセンティブが入るんだよ。優勝すれば俺とお前、ウィンウィンだろうが」  そこまでして賞金など欲しくない。それより一応歴史のあるミスコンなのだから、見合った人に受賞してほしかった。  私は私欲まみれの自分の担当者に呆れると、草むらに置いていた鞄を手に取った。 「もういい! 今日は帰る!」 「おいこら、貞子!」  今度は私がキレ気味に叫んだ。 「名前で呼ばないでって言ってるでしょ!」  この二十一世紀にこの名前では、ミスコンのために改名させられかねなかった。  
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