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「よし。じゃあ次、木の影に隠れて顔を出し、〝あっ、見つかっちゃった〟をやってみよう」
なんだ、その昭和のアイドルのようなシュチュエーションは。
そう思ったが、黙っていた。何故ならもうテイク21だったからだ。20回シチュエーションに口出しをして、私は疲れ切っていた。
インタビュー撮影が完了したあと、私はプロモーション映像を撮っていた。
動画視聴者が私の恋人になった設定で、構内でデートのシュミレーションをするのだ。これを見て、男子生徒にキュンキュンしてもらい票を獲得するのだという。
ファイナリストのPR動画の内容は各担当者が企画するらしかったが、田島くんの企画力には甚だ疑問を感じた。
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