登校の日。

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「お姉ちゃんはお兄ちゃん好きじゃないの?」 「へ?」 桃ちゃんからの予想外の質問に固まる。 桃ちゃんはキラキラと目を輝かせて、私を見つめていて眩しい。 響さんは無言でじーっと見つめてくる。 ……うぅ。 「…好き…ですよ…。」 じわじわと顔に熱が溜まっていく。 顔を手で覆って、私は必死に顔を見られないようにする。 けれど響さんに腕を外され、呆気なく顔を見られる。 「可愛いな。」 「っ!!」 「お姉ちゃん顔真っ赤~。」 ……もう…やめてください…。 その後、私は桃ちゃんの質問攻めにあい、ロールケーキは響さんに食べられ、抹茶ケーキを食べることとなった。 ****** 「楽しかったな。」 「……。」 ……疲れた。 機嫌がもの凄く良くなった響さんは、笑みを浮かべながら車を運転している。 「……。」 「ロールケーキ買ってやったんだから許せ。」 「…恥ずかしかったんですからね。」 「悪かった。」 そう言って響さんは車をビルの地下駐車場に停めた。 「…響さん?」 響さんはさっきまでと違って、真剣な顔になった。 「話したくないなら話さなくていい…ただ。」 響さんが腕を伸ばし、そっと私を抱きしめる。 「もう…平気か?」 何のことを聞いてるのかはすぐにわかった。 だから、私は疑問に思っていたことを聞いた。 「響さんは…佳奈さんとつくしさんが…問題児だって知ってました?」 「ああ。」 「私、二人共大好きなんです…佳奈さん…今日会ったばかりなのに…凄く優しくしてくれて…。」 「……。」 「二人と…友達でも…おかしくないですよね?」 「おかしくない。」 響さんは私を抱きしめる力を強くし、私を胸へと押し当てた。 少し苦しいけど、今は心地よかった。 「二人は結構な問題児だろうが…人としてはできた奴らだからな。」 「……。」 「お前には二人みたいなのは新鮮だろ。」 「…はい。」 私が通っていた高校にも問題児はいた。 けど、佳奈さんとつくしさんレベルの人は見たことない。 「今日はまだ落ち着いてただろうが、明日からもっと凄いぞ?」 「あ、あれ以上ですか?!」 私は響さんの胸からバッと顔を上げた。 あれと言っても響さんにはわからないだろうけど、とにかく衝撃的だった。 「ああ。多分、授業は全部サボるか寝るかするな。」 「……。」 ……凄い…。
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