二人とお出掛け

2/10
500人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「はー、早く放課後になんないかな。」 「普段のつくしの言葉とは思えないわね。」 「確かに…もう帰る?」 「……。」 言っときます。 まだ一時間目です。 私達はサボりの最中であり、屋上で暇を持て余している。 つくしさんは柵に座り、佳奈さんは寄っ掛かりながら立っている。 私は柵の下にある段差に座って、二人を見上げる状態だ。 ……つくしさん大丈夫かな…。 つくしさんは何かの弾みで落ちそうで、ちょっと見ていて怖い。 「そういえば椿。」 「はい。」 つくしさんは怖くないのか、足をブラブラとしながら話しかけてきた。 「響さん、今日から仕事始まったんだよね?」 「はい。ですので今日からは遊べます。」 「じゃあ行こう。」 つくしさんは即答し、スカートのポケットから棒付きキャンディを取り出した。 その様子を見ていると、、佳奈さんが私の肩を叩いた。 「椿は行きたいとこある?」 「私、あんまり詳しくなくて…。」 「じゃあ適当にファストフード店でも行く?」 ……つくしさん…本当に怖いから降りてください…。 「放課後?」 佳奈さんはつくしさんはどうでもいいように、私に聞いた。 「その方が助かります。授業に出なくても…一応…。」 ……休んだも当然の状態だけど…。 さすがにこの時間に堂々と街を歩く勇気はない。 「じゃあ放課後行こっか。お昼は椿のがあるし。」 ……そういえばそうだ…。 こうして放課後の約束が決まり、私達は放課後まで色んな場所で暇を潰した。 ****** 「…ここがファストフード店…。」 「…本当に初めてなんだね。」 「何か初々しいわ…。」 放課後になり、私達はハンバーガーショップに来た。 学校からそんな遠くなく、時間帯もあってか学生で溢れていた。 もちろん、霧ヶ峰の生徒もいる。 「ねぇ、あれ菖蒲さんと花野井さんだよね。」 「間の子誰?」 ……そんなに変わるかな…。 私は響さんの手によって、昨日と同じくおさげと伊達メガネを装着していた。 …学校では…。 「美人だよね。」 「い~な~。」 「でも学校で見たことなくない?」 「確かに。」 「…視線が痛い~。」 「椿、褒められてるんだよ?」 「つくし、取り敢えず避難しよう。響さんに怒られる。」 「あ、だね。」 「? 何でです?」 「「男が見てるから。」」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!