scene.1

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「……陽斗君だったら、カラダだけの関係でもいいな」  ひそめられた声は、言い慣れているのか小さな笑みも含まれていて。  随分ご立派なお嬢様だことで。 「お嬢様なのにそんなん言っていいの? お父さんに怒られない?」 「お父さんって。もぅ、やだー、陽斗君ったら」  なにが、「やだー」なんだよ。  俺だって男だし、こう言われて嬉しくない訳じゃない。  性欲だって人並み程度にはあるし、実際お言葉に甘えて、有り難くいただいたことだって何度かある。  だけど、その度に思い知らされる。  “違う”っていうことを。
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