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「陽あれだろ。どうせまた合コン行ってたんだろ?」
「……まぁね」
リビングに入ると、ソファーの背もたれから二人揃って顔を覗かせている。
それを見ないようにして、冷蔵庫を開けた。
ラップのかけられた母親が作るよりも洒落た料理を横目に、水のペットボトルを取り出す。
「父さんたちは?」
「二人で飯食いに行ってるー。今日結婚記念日だから」
「そういやそうだっけ」
2、3日前に、嬉しそうに言っていた母親の顔を思い出す。
「せっかく円香が陽の分も作ってたのにさぁー、帰ってくんの遅すぎ。電話も出ないし」
「ごめん。明日食べるわ。円香さんもごめんね」
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