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「はーるとっ」
食堂を出たところで、声を掛けられた。
声を掛けてきたのは、一年の時から、割と仲良くやってる滝沢雅樹(たきざわまさき)だった。
「今日暇―?」
「なんで?」
どうせ合コンだろう。
そう思いながらも、一応聞き返す。
「合コン行かね?」
案の定のことを言った雅樹は、ジムで鍛えてるらしいゴツい腕を肩に回してくる。
嫌な顔を全面的に出して、それを払った。
「行かない」
「んなつれないこと言うなって。相手どこだと思う?」
「興味ない」
「聞いて驚くなよ!? なーんと、F女子っ!」
驚くもなにも、聞いてないっつーの。
近くのお嬢様学校の名前を上げた雅樹は、まだ始まってもないのに既にテンションが高い。
3年になって本格的に就職活動が始まったというのに、こいつは相変わらずだ。
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