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「悪いけど、今日は止めとくわ。気分じゃない」
「え、ちょ、待ってよ! 陽斗で釣ったんだって!」
「知らねーし、そんなん」
「マジで頼むよ! 瞳ちゃん来るんだって! 陽斗君、マジでお願い! このとーり!」
瞳って誰だよ?
つい最近言ってたのと違う女の名前を出した雅樹は、大袈裟な拝むポーズをしてくる。
行くのも面倒臭いけど、こいつの場合断るのも面倒臭い。それに、断った後も。
前回断った時は、一週間は恨み言言われたし。
「……わかった。何時にどこ?」
ため息と共に言うと、雅樹の顔が輝く。
「マジで!? サンキュー!」
あー、タバコ吸いたい。
嬉々として場所と時間を告げる雅樹を横目に、そんなことを考える。
誘われるまま割と行ってた合コンは、最近割と面倒臭い。
大学3年間、ほどほどに遊んで学んだこと。
それは、無理なものはどう足掻いても無理だということ。
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