scene.1

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「悪いけど、今日は止めとくわ。気分じゃない」 「え、ちょ、待ってよ! 陽斗で釣ったんだって!」 「知らねーし、そんなん」 「マジで頼むよ! 瞳ちゃん来るんだって! 陽斗君、マジでお願い! このとーり!」  瞳って誰だよ?  つい最近言ってたのと違う女の名前を出した雅樹は、大袈裟な拝むポーズをしてくる。  行くのも面倒臭いけど、こいつの場合断るのも面倒臭い。それに、断った後も。  前回断った時は、一週間は恨み言言われたし。 「……わかった。何時にどこ?」  ため息と共に言うと、雅樹の顔が輝く。 「マジで!? サンキュー!」  あー、タバコ吸いたい。  嬉々として場所と時間を告げる雅樹を横目に、そんなことを考える。    誘われるまま割と行ってた合コンは、最近割と面倒臭い。  大学3年間、ほどほどに遊んで学んだこと。  それは、無理なものはどう足掻いても無理だということ。
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